タピオ・ヴィルカラ——フィンランドが生んだ20世紀最高のデザイナー
タピオ・ヴィルカラ(Tapio Wirkkala, 1915-1985)は、フィンランドが20世紀に生んだ最も偉大なデザイナーの一人です。ガラス、陶磁器、金属、木工、紙幣デザインまで——あらゆる素材を自在に操り、北欧デザインの黄金時代を築きました。

フィンランドが誇るマルチデザイナー
1915年、フィンランドのハンコに生まれたヴィルカラは、ヘルシンキの美術工芸学校で学んだ後、1946年にイッタラのデザインコンペティションで優勝。ここからガラスデザイナーとしてのキャリアが始まります。1951年のミラノ・トリエンナーレでグランプリを受賞し、一躍世界的な名声を獲得しました。
イッタラでの代表作

ウルティマ・ツーレ(Ultima Thule, 1968年)
フィンランドの氷が溶ける瞬間を表現したウルティマ・ツーレは、ヴィルカラの最も有名な作品です。「世界の最果て」を意味するこのシリーズは、フィンエアーのファーストクラスでも採用され、フィンランドデザインの象徴となりました。
タピオ・グラスウェア(1954年)
自身の名を冠したタピオ・シリーズは、薄く繊細なフォルムが特徴。ワイングラスからビアグラスまで、シンプルでありながら圧倒的な美しさを持つ名作です。
ガラスを超えた創造力

ヴィルカラの才能はガラスにとどまりません。フィンランドの紙幣デザイン、フィンランディア・ウォッカの象徴的なボトルデザイン、さらにはフィンランド・マルッカ硬貨のデザインも手がけました。陶磁器、ジュエリー、彫刻の分野でも数多くの作品を残しています。
ローゼンタール(ドイツ)やヴェネチアのムラーノ島のガラス工房でも活動し、その影響は北欧を超えてヨーロッパ全域に及びました。
ヴィルカラ作品の魅力——自然との対話
ヴィルカラのデザインの根底にあるのは、フィンランドの自然への深い敬意です。氷、水、木、キノコ——フィンランドの森と湖の風景が、彼の手を通じてガラスや陶磁器に変容します。「カンタレッリ」(アンズタケ)を模した花瓶は、自然の造形をそのままデザインに昇華させた傑作です。
コレクションのすすめ
(イッタラ ヴィンテージ ビールジョッキ 1970年代 フィンランド)
ヴィルカラの作品は、現行品としてイッタラから販売されているものと、すでに廃盤となったヴィンテージ品があります。特にヴィンテージのウルティマ・ツーレやタピオ・グラスは、現行品とは異なるガラスの質感や厚みがあり、コレクターに人気です。当店でも北欧ヴィンテージガラスを取り扱っています。
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