現在、日本で「スティグ・リンドベリ展」が開催中です。当店の訪問レポートはこちら → 信楽「スティグ・リンドベリ展」レポート
スティグ・リンドベリ(Stig Lindberg)がグスタフスベリ(Gustavsberg)のアート工房で手がけた、手描きのファイアンス(錫釉陶器)のキャンドルホルダーです。花を描いた一点ですが、本品にはひとつの大きな発見があります。
本品の底部には、青で描かれたグスタフスベリ・スタジオの手のマーク(スタジオハンド)と、リンドベリの署名「Stig L」が確認できます(スタジオハンドはグスタフスベリ・スタジオ固有のマークで、絵付師ごとに色を選び、リンドベリは青を好みました)。量産ファイアンスは[スタジオハンド+絵付師の個別マーク]で記され、「Stig L」の署名は入りません。本品には絵付師の個別マークがなく、スタジオハンドに作家自身の署名が添えられています。絵付師のマークがなく、スタジオハンドに「Stig L」の署名が伴う作品は、リンドベリ本人による原作(originalarbete)です。
裏づけは筆致にもあります。現在開催中のリンドベリ展には、「顔図大型マグ」(1940年代、スティグ・リンドベリ自身が絵付をしたユニークピース)が出品されています。本品の筆の運び、色の置き方、線の省略は、その本人絵付の作品とそのまま重なります。様式から見て、本品も1940年代頃に描かれた一点と考えられます。リンドベリは1937年にグスタフスベリへ入り、ヴィルヘルム・コーゲ(Wilhelm Kåge)のもとでファイアンスの絵付けから出発しました。手描きのファイアンスは、彼が陶芸家として歩み出した原点そのものです。
乳白色の錫釉をまとったファイアンスの肌に、花の絵付けが軽やかに置かれています。本人の手による絵付という、資料性のきわめて高い一点です。
■詳細スペック
- メーカー:Gustavsberg / グスタフスベリ(アート工房)
- デザイナー・絵付:Stig Lindberg / スティグ・リンドベリ(本人絵付)
- 技法:手描きファイアンス(錫釉陶器)
- 絵柄:花
- サイン:底部に青のスタジオハンドとリンドベリの署名「Stig L」/絵付師の個別マークなし
- 年代:1940年代頃
- 製造国:スウェーデン
- サイズ:高さ 約5.5cm
■コンディション:評価対象外
縁にチップ(小さな欠け)が一箇所あります。作品そのものは使用されていない未使用の一点ものです。本人絵付というきわめて資料性の高い逸品です。








