スウェーデンの老舗名窯が紡いだ 北欧ヴィンテージの逸品
スウェーデンの老舗食器メーカーのロールストランドで1960年代頃に製作されたミモザという珍しいシリーズのティーカップ&ソーサー&プレートの3点セットのトリオです。
ミモザはマリアンヌ・ウェストマンの代表作であるモナミ(Mon Amie)のAモデルと呼ばれるフォルムを踏襲しています。ミモザはティーカップ、クリーマー、シュガーボウル、ティーポット、プレートなど一連の食器シリーズとして展開されました。しかしどういった理由か定かではありませんが、本作は大量生産されることはありませんでした。
背景にはモナミが大ヒットしたこともあり、製造方法が異なる同型作品としてあまり顧みられなかった事情があるのではないかと思います。モナミは花がらを青い釉薬でペイントした後に再焼成をして定着させる製法ですが、本作ミモザは花柄の転写紙を貼り付けて再焼成されたものです。双方ともAモデルという素焼きのカップに細工を施して製作されていますが、製造工程が微妙に異なることから、同じ生産ラインでは作ることが出来なかったと思われます。Aモデルの在庫は大ヒット作のモナミに多く割かれたため、ミモザに割り振られることが少なかったのではないかと思います。
デザイナーはマリアンヌ・ウェストマンとおもわれます。通常ミモザは黄色い花をつけますが、白黒で描写されている点に面白さがあります。北欧食器は単色の配色で美しさを表現することに一つの特徴があります。1960年代頃に製作されたロールストランド社の幻の作品の一つです。
ロールストランド — ヨーロッパ最古級の磁器工房、300年の伝統

1726年、ストックホルムに設立されたロールストランドは、スウェーデン最古の陶磁器工場です。スウェーデン王室の支援のもと、ファイアンス焼きから始まり、やがてボーンチャイナ、フリント陶器へと技術を発展させました。1926年にヨーテボリ、1936〜39年にリードヒェーピングへと工場を移転し、2005年12月30日にスウェーデン国内での生産を終了しました。ブランドは現在もフィスカース(Fiskars)グループ傘下で存続しています。

ロールストランドを彩った名デザイナーたち
マリアンヌ・ウェストマン(1928–2017)は1950年から1971年までロールストランドに在籍し、青い花柄のモナミ(1952年〜)や、大胆なポップアートのようなピクニック(1956年〜)など、スウェーデンで最も愛される食器シリーズを生み出しました。
グンナー・ニールンド(1904–1997)はストーンウェアの巨匠として知られ、深みのある釉薬のアート陶芸で国際的な評価を獲得。カール=ハリー・ストールハーネ(1920–1990)も30年以上にわたりロールストランドでスタジオ作品と量産食器の両方を手がけました。

1930年にはルイーズ・アーデルボルグ(1885–1971)がストックホルム博覧会で発表した「ナショナルサービス」(後のスウェディッシュ・グレース)が、スウェーデン王室や大使館で愛される名品となりました。
ヴィンテージの見分け方 — バックスタンプ(刻印)ガイド

- 1730〜1884年:「Stockholm」または「Rörstrand」の手書き・型押し。絵付け師のイニシャルや年号が添えられることも。
- 1884〜2000年:ロールストランドの象徴的な「三つの王冠」マーク。イタリック体の工場名の周りにスウェーデンの紋章が配されたデザイン。1937年以降は3桁の数字コード(最初の2桁が製造年、3桁目が年内の時期)で年代特定可能。
- 2000年〜現在:王冠をかぶった「R」のシンプルなマーク。2005年にスウェーデンでの生産終了後も使用。
- ヴィンテージ品の特徴:「SWEDEN」または「MADE IN SWEDEN」の刻印はスウェーデン工場製の証。リードヒェーピング工場閉鎖(2005年)以前の製品は、手仕事の温もりと北欧デザインの黄金期の品質を持つ貴重なヴィンテージ品です。
■詳細スペック
- メーカー:Rorstrand / ロールストランド
- デザイナー:Marianne Westman / マリアンヌ・ウェストマン(推定)
- シリーズ名:Mimosa / ミモザ
- 年代:1960年代(推定)
- 製造国:スウェーデン
- サイズ:カップ:直径10.5cm 高さ6cm 横幅12.5cm(取っ手含む) ソーサー:直径15.5cm 高さ2.5cm プレート:直径18.5cm 高さ2.5cm
■コンディション:★★★★★(5:完品)
3点ともに割れや欠けや貫入がない未使用品のデッドストック品です。オリジナルのツヤを留めた完品のコンディションです。









