スウェーデンの老舗名窯が紡いだ 北欧ヴィンテージの逸品
スウェーデンを代表する陶器メーカー、ロールストランド社の大型のピッチャーです。デザイナーはイングリッド等で知られるジャッキー・リンドです。こちらはストーンウェア(炻器)となります。ストーンウェアとは陶器と磁器の中間的な製法で作られ双方の特性を併せ持つものです。
陶器は多孔質かつ肉厚で、地肌の土が露出していることもある重厚な焼き物です。一方で磁器は、全面に釉薬がかかり高温で焼かれた、薄造りで軽いツヤのある器です。ストーンウェアとは陶器の材料を使いつつ、焼成時の温度を磁器と同様の1200℃で焼いたものです。全面に釉薬がかかっており、しかも肉厚のため耐久性が非常に高いのが特徴です。
ストーンウェアを更に頑丈にするように全体を茶色の重厚な線が取り囲んでおり、飾って楽しめる雰囲気をもっています。
ロールストランド — ヨーロッパ最古級の磁器工房、300年の伝統

1726年、ストックホルムに設立されたロールストランドは、スウェーデン最古の陶磁器工場です。スウェーデン王室の支援のもと、ファイアンス焼きから始まり、やがてボーンチャイナ、フリント陶器へと技術を発展させました。1926年にヨーテボリ、1936〜39年にリードヒェーピングへと工場を移転し、2005年12月30日にスウェーデン国内での生産を終了しました。ブランドは現在もフィスカース(Fiskars)グループ傘下で存続しています。

ロールストランドを彩った名デザイナーたち
マリアンヌ・ウェストマン(1928–2017)は1950年から1971年までロールストランドに在籍し、青い花柄のモナミ(1952年〜)や、大胆なポップアートのようなピクニック(1956年〜)など、スウェーデンで最も愛される食器シリーズを生み出しました。
グンナー・ニールンド(1904–1997)はストーンウェアの巨匠として知られ、深みのある釉薬のアート陶芸で国際的な評価を獲得。カール=ハリー・ストールハーネ(1920–1990)も30年以上にわたりロールストランドでスタジオ作品と量産食器の両方を手がけました。

1930年にはルイーズ・アーデルボルグ(1885–1971)がストックホルム博覧会で発表した「ナショナルサービス」(後のスウェディッシュ・グレース)が、スウェーデン王室や大使館で愛される名品となりました。
ヴィンテージの見分け方 — バックスタンプ(刻印)ガイド

- 1730〜1884年:「Stockholm」または「Rörstrand」の手書き・型押し。絵付け師のイニシャルや年号が添えられることも。
- 1884〜2000年:ロールストランドの象徴的な「三つの王冠」マーク。イタリック体の工場名の周りにスウェーデンの紋章が配されたデザイン。1937年以降は3桁の数字コード(最初の2桁が製造年、3桁目が年内の時期)で年代特定可能。
- 2000年〜現在:王冠をかぶった「R」のシンプルなマーク。2005年にスウェーデンでの生産終了後も使用。
- ヴィンテージ品の特徴:「SWEDEN」または「MADE IN SWEDEN」の刻印はスウェーデン工場製の証。リードヒェーピング工場閉鎖(2005年)以前の製品は、手仕事の温もりと北欧デザインの黄金期の品質を持つ貴重なヴィンテージ品です。
■詳細スペック
- メーカー:Rörstrand / ロールストランド
- デザイナー:Jacqueline Lynd / ジャッキー・リンド
- 年代:1970〜1980年代
- 製造国:スウェーデン
- サイズ:直径9.5cm 高さ14cm
■コンディション:★★★★☆(4.5:極美品)
側面に僅かに保存上ついたカトラリー跡が写真に写らない程度みられますが、全体的に使用感がなくオリジナルの姿を留めたデッドストック品に近い大変良いコンディションです。








