19世紀の地中海が北欧に渡った グスタフスベリのマヨリカ焼き
スウェーデンの代表的な陶器メーカー、グスタフスベリ社が19世紀に製作したマヨリカというシリーズのプレートです。グスタフスベリは1825年に創業し什器や陶器製のバスタブなどを製造していました。同名のシリーズはロールストランドも製造しています。シリーズ名のマヨリカとは地中海に浮かぶマジョリカ島のことで、イタリアから各地に輸送されたファイアンス焼きの中継地点になった島です。イタリア製の食器ですが、中継地の名前からスペインのマジョリカ焼きと呼ばれるようになりました。
プレートは全体的にカエデと思われる5つ葉の葉っぱとグレープの実が描かれています。マヨルカは19世紀のスウェーデン製の器のなかでは独特の存在感を放っており、それまでのマイセン風のトラディショナルな焼き物とは一線を画す感性で作られています。装飾は派手ですが、のちの北欧モダンにも通じる端的な美が感じられます。なおプレートそのものはかなり薄く軽い造りとなっています。古いこともあり破損しやすいため、取り扱いにご注意ください。
グスタフスベリ — 200年の歴史を持つスウェーデン陶磁器の聖地

1825年、ストックホルム群島のヴェルムド島に創設されたグスタフスベリ磁器工場。当初はイギリス式の製法を導入し、1839年に現在も知られる錨(アンカー)のマークを採用しました。1863年にはコーンウォールから粘土を輸入し、ボーンチャイナの生産を開始。やがてスウェーデンを代表する磁器ブランドへと成長しました。

黄金時代を築いた巨匠たち
1917年に初代アートディレクターに就任したヴィルヘルム・コーゲ(1889–1960)は、「美しい日用品をすべての人に」という理念のもと、労働者向けの食器「リリエブロー」を発表。さらにアルジェンタ、ファルスタなどの名シリーズを生み出しました。
1949年にコーゲの後任となったスティグ・リンドベリ(1916–1982)は、ベルサ、スピサリブ、プルーヌス、アダムなど数々の名作を手がけ、グスタフスベリの黄金時代を築きました。「千の芸術家(Tusenkonstnären)」と呼ばれた彼は、陶磁器だけでなくテキスタイル、ガラス、グラフィックデザインなど多岐にわたる分野で活躍しました。

このほか、ベルント・フリーベリ(1899–1981)は中国宋代の青磁に影響を受けた独自の釉薬技法で世界的な評価を得、リサ・ラーソン(1931–2024)はシャモット粘土を用いた愛らしい動物フィギュアで日本でも絶大な人気を誇りました。
ヴィンテージの見分け方 — バックスタンプ(刻印)ガイド

グスタフスベリの食器には裏面にバックスタンプ(刻印)が施されています。このスタンプのデザインは時代とともに変化しており、製造年代を特定する重要な手がかりとなります。1839年に採用された錨(アンカー)マークは現在まで同社のシンボルとして受け継がれています。1993年にオリジナルの食器生産が終了し、現在はHPF社が復刻版を製造しています。ヴィンテージ品はフリント陶器やフェルトスパット磁器で、復刻版のボーンチャイナとは素材が異なります。
■詳細スペック
- メーカー:Gustavsberg / グスタフスベリ
- シリーズ名:Majolika / マヨリカ
- 年代:1800年代後半
- 製造国:スウェーデン
■コンディション:訳あり
縁に一箇所、穴のような欠けが見られます。未使用品のため使用上のものではなく製造工程によって発生し、そのまま出荷されたものと思われます。それ以外はオリジナルの姿を留めた状態の良い完品のデッドストック品です。背面には製造時の支柱跡が見られます。








